ボクシングは「観るもの」ではなく「するもの」

3FがR&E 彦根 BOXING CLUB

2018年9月にオープンしたR&E彦根BOXINGCLUB(ボクシングクラブ)を訪ね、代表の田島邦彦さんにお話を伺いました。ビバシティ彦根や友仁山崎病院からほど近い場所にある、彦根市唯一のボクシングクラブ です。 県内トップクラスの広さがあり、5m×5mのリングやサンドバック、大型鏡、パンチングボールやランニングマシーンなどの設備が充実し、男女別更衣室とシャワーのほかAEDも備えています。また換気や消毒・うがいなどコロナ対策も徹底されています。

ストレスからの解放

クラブ名称「R&E」の"R"は「リラックス」と「リフレッシュ」、"E"は「エンジョイ」と「エキサイティング」を意味しています。これはクラブのコンセプトで、目的に合ったレベルで「楽しく! 明るく!元気に!」トレーニングし、ストレスを解放して心身ともに健康になって欲しいとの想いが込められています。

田島さんはサラリーマンになって、学生時代にしていたボクシングから30年近く離れていたそうです。東京の企業で営業職をされ、年齢が上がるごとに多くの部下を抱えて仕事の責任やプレッシャーが増すと、業務の過酷さとストレスで体を壊すようになりました。そこで自分がストレスを感じた時に、「これを解放する手段はないものか」と考え、再びやり始めたのがボクシングでした。 そして東京で通い始めたボクシングジムで、ある若者と出会います。それは東京オリンピックの候補選手でした。ひたむきに頑張る選手の姿と会長の人柄、そしてそれをサポートする会員や周囲の人々とそのジムの雰囲気を目の当たりにし、「すごくいいな」と感銘を受けたそうです。当時彦根に住み、東京で単身赴任されていた田島さん。地元に帰ってくる度に、中学生の子を教えていたこともあり、「自分も東京のジムで見たようなことをしてみたい」と思うようになりました。そして、びわこ国体開催が決定されたこともあり旱期に退職され、彦根にクラブを開かれました。

リング
ボクシング用具
パンチングボール
AED

クラブには現在、7歳から60歳までの約100名が通われています。 会費は、一般男性・大学生、アスリート、 一般女性・高校生・中学生、小学生(小学4年生~6年生)、キッズ教室(小学1年生~4年生)と分かれていますが、練習メニューはその人の目的に合わせたオーダーメイドの内容となっています。

ストレート、フック、ボディ、アッパーの4種類のパンチを基本に、段階に合わせて様々なメニューを取り入れ、マンネリになりにくい練習となっています。 また、実践形式の練習は、ご本人の希望がない限り実施することはありません。希望者が実施する場合でも、安全に十分配慮した状態で行います。

また、学生としてインターハイや国体などを目標に、いわゆるアマチュアエリートを目指してトレーニングしている選手もいます。田島さんのほか、2名の元プロ選手も時折指導に加わってくださり、クラブからは全国大会出場や有名全国大会の近畿ブロック代表選手、また小学生女子の近畿チャンピオンも輩出しています。

田島さんがボクシングを始めたのは生まれ育った大阪に住まれていた頃。 当時ご活躍されていた赤井英和さんの男気とファイトスタイルに惚れ込んで、17歳の夏に赤井さんのいたグリーンツダボクシングジムの門を叩きました。驚いたことに、その日最初に出会ったのが、6人の世界チャンピオンを育てた名トレーナーのエディ・タウンゼントさんでした。 その出会いに背中を押された田島さんは、赤井さんや、井岡弘樹選手など錚々たるメンバーが揃う黄金期のジムでプロにもまれ、ボクシングに打ち込みました。

サンドバック

殴り合わなければ一生できるスポーツ

R&E彦根ボクシングクラブについて田島さんは「まず選手に関しては、ボクシングを通じて人格形成・人間形成してもらうことを目指したいです。もう一つはサラリーマン時代の経験から、どんな仕事にもあるストレスから解放できる場、笑顔になって帰っていただく場を目指したいということ。ボクシングは、リングの中で真剣に殴り合うということさえ除けば、一生できるスポーツだと僕は思っています。またボクシングは、『怖い』『危ない』など敷居が高いイメージを持たれがちです。しかし自分が一生懸命やってきた仲間はみんな真面目で、当クラブも、素晴らしい会員の皆さんに恵まれ、サポートしてくださったり支えられています。『ボクシングは観るものではなくするもの』というのは一番伝えたいことで、それぞれのレベルに合わせてサンドバックを叩いたり、汗を流してストレス発散し、健康になってもらいたいです」とお話しくださいました。

ご興味のある方には、まずは見学に来ていただき、やってみたいと思われたら体験をしてくださいとのことです。※詳細ウェブサイトをご確認ください。

ボクシングクラブ前にて